Home VISION Vol.8 | 再生利用で環境負荷を軽減
社会課題の解決

Vol.8 | 再生利用で環境負荷を軽減 フィルムのリサイクルでCO2 排出量を抑制し、
環境負荷を軽減。資源循環型社会の実現を。

カタログやパンフレットをお客様にお届けするために全体を包んでいるフィルムをラッピングフィルムと言います。この度、佐川印刷が開発したリサイクルラッピングフィルム(RWF=Recycled Wrapping Film)は、フィルム製造工程や印刷工程などで排出される廃フィルムをリサイクルする、環境負荷の軽減につながるフィルムです。

SESSION 01 ラッピングフィルムの大半を占めるポリエチレンをターゲットに廃フィルムの回収から再利用のスキームを構築

ラッピングフィルムの製造にあたっては、各工程で廃フィルムが幾らか発生します。ただ、印刷インキが付着してしまったフィルムは、雑プラとしてのリサイクルか燃料としてサーマルリサイクルなど、再利用の道が限られていました。そこで当社は自社内の生産工程(フィルム製造工程、印刷工程、フィルムスリッタ工程)で発生した廃フィルムを回収し、洗浄・粉砕の後にペレット化された再生ペレットをリサイクルラッピングフィルムの原料として再利用するスキームを構築いたしました。まずはラッピングフィルムの大半を占めるポリエチレンを対象としていますが、今後、PET やポリプロピレンも混合できるように、研究・開発を進めて参ります。更に発展として、他社様から廃フィルムを引き取ってのリサイクルも検討しております。

SESSION 02 通常のポリエチレン製造と比べ製造時に発生するCO2 排出 量が17.3% 減。
水性フレキソとの組み合わせで合計26.9% 削減が可能に

リサイクルラッピングフィルムは通常のポリエチレンフィルムと比べ、製造時のCO2 排出量を約17.3% 削減することができます。これは環境配慮型フィルムとして注目されているバイオマスポリエチレンにおける一般的な配合割合25% で製造したフィルムと、ほぼ同等の削減量になります。また溶剤を使用しない当社の水性フレキソ印刷と組み合わせることで、更に大きくCO2 排出量を削減ができます。一般的なポリエチレン製造と油性グラビア印刷の組み合わせと比較するとCO2 排出量で約26.9% の削減になります

SESSION 03 ブツブツしているのはリサイクルの証

RWFは回収したフィルムを洗浄・粉砕して再ペレット(小さな樹脂の粒)化した後、改めてフィルムとして製造しています。そのため、どうしても取り除ききれない異物が含まれてしまい、その部分を核としたブツブツ(フィッシュアイ)が発生してしまうことがあります。そのブツブツ部分に印刷を行うと色抜けが発生してしまい、12 イント以下の小さな文字は可読性が低下する恐れがあります。また再生する元のフィルムによって色味に若干のブレが出てしまいます。しかし、そうした新品のフィルムとの違いこそが、「リサイクルの証」と言えるのです。