Home VISION Vol.4 | 未来環境プロジェクト
社会課題の解決

Vol.4 | 未来環境プロジェクト プラスチックごみ削減へ。
自然に還る軟包材の開発から。

プラスチックごみによる海洋汚染が国際問題となる中、
2019年5月、汚れた廃プラスチックの輸出入を規制する国際条約が採択。
G20大阪サミットでは日本政府が主導し、2050年までに
「海洋プラスチックごみ流出ゼロ」を目指すビジョンが掲げられました。
佐川印刷も、この急浮上した社会課題としっかり向き合い、先進的な取り組みを加速させています。

SESSION 01 省資源型トイレットペーパーの
包装用フィルムに新発想。

舞台は、日用品や食品などの包装用フィルム「軟包材」の生成から印刷、加工まで一貫生産する日野軟包材工場。生分解性(プラスチック)フィルム、使用後は自然に還る新素材開発の共同プロジェクトです。パートナーは、静岡県富士市に本社を置く古紙再生技術のリーディングカンパニー、コアレックスグループ様。「100%再生紙使用」「紙芯なしロール」「紙幅カットで長巻」など、省資源型トイレットペーパー製造のパイオニア企業でもあります。その視点・発想は、「環境に配慮したトイレットペーパーの包装用フィルムが、地球を汚すことがあってはいけない」。具体的なご要望は、現在のところ5年間という耐久期間とスムーズな生分解性の両立です。相反する性質のバランス調整というデリケートなテーマ。現在、分解期間を比較的コントロールしやすい材料を中心に、実用化に向けた試作、試験を繰り返しています。

SESSION 02 お客様と佐川印刷が
一体となって組むスクラム。

難題だけれど、社会的に意義のある仕事。クリーン・ファクトリー、日野軟包材工場の真価が問われる事業ともいえます。浜松支店の営業担当、日野軟包材工場製造部、本社・司令塔。そして、お客様を含めた、まさにワンチーム。スクラムを組んでのプロジェクト推進。現在、コアレックスグループ様では商品をフィルムで包装する充填テストが行われています。3層で構成するフィルムの内側は充填しやすいように滑りやすく、いちばん外側は荷崩れしにくいように滑りにくく。包装資材としての基本機能が損なわれることがあっては本末転倒です。日野軟包材工場の強み、環境負荷の少ない水性インキでのフレキソ印刷との相性確認も重要です。第一段階は、保管条件を管理しやすい業務用商品での実用化。そして2025年、全商品を対象とした完全生分解性フィルム化の実現へ。日々、挑戦が続きます。

SESSION 03 “素材メーカー”佐川印刷
としての使命。

コアレックスグループ様と佐川印刷は、トイレットペーパーに関わるもうひとつの取り組みを進めています。商品の梱包時、熱を加えて収縮させるシュリンク(熱収縮)フィルムを回収し、新しいフィルム生成などの原料としてリサイクルする仕組みづくり。強度や透明性確保など再生フィルムの品質向上、より効率的にリサイクルできる単一素材化など、技術的ハードルも数多くあります。トイレットペーパーという私たちの暮らしの必需品、身近なところで進む佐川印刷の“未来環境プロジェクト”。新素材の誕生後も、“素材メーカー”佐川印刷には、“用途開発”という新たな使命が生まれます。生分解性フィルムとリサイクルスキーム用フィルムという二つの素材テーマで新領域へ。“包装用”という枠にとらわれない新商品開発、新事業展開を視野に入れ、私たちのさらなる挑戦が続きます。